愛犬に毎日与えているドッグフード。でも飼い主さんは、そのドッグフードの成分をしっかりと把握していますか?愛犬の体をつくっているドッグフードには様々な成分が含まれています。
そしてその中には、ワンちゃんには不必要なモノまで入っている可能性も…。一体、ワンちゃんに必要なもの、不必要なものはどんなものなのか?ここでは、ドッグフードに含まれている成分について紹介していきます。
ドッグフードに必要な成分
愛犬の健康に大きく影響するドッグフード。彼らの主食であるそのドッグフードには様々なタイプのものがあり値段も多岐にわたりますが、そもそもドッグフードに含まれているべき成分とは一体何なのでしょうか?
それはワンちゃんの食事には欠かせない、「タンパク質」「脂肪分」「ミネラル」となります。ドッグフードには全ての原材料の表示が義務づけられており、成分表示の所では「粗タンパク質」「粗脂肪」「粗灰分」と示されています。「粗」とは、「およそ」という意味です。
タンパク質は本来肉食であるワンちゃんにとってはとても重要な栄養素で、血液や骨格、皮膚などの構造体となってくれる他、様々な役割を担っています。ドッグフードに含まれる量としては、粗タンパク質25〜30%が理想的とされています。
ここで注意したいのが、犬には動物性タンパク質が必要だということ。穀物がメインの植物タンパク質は犬にとっては消化がしにくく、栄養も行き届きません。お肉がメインの動物性タンパク質を含むドッグフードを選ぶようにしましょう。
脂肪分は摂り過ぎは肥満などの原因になりますが、犬にとっては大切な栄養素の一つ。大切なエネルギーの源としてある程度は必要になり、ドッグフードに含まれる割合は粗脂肪 8〜12%が理想的な数字となります。
そしてミネラルですが、これは 粗灰分として表示されています。灰分とは、ドッグフードを燃やして残る灰の量を意味し、カルシウムやナトリウム、カリウムや鉄などのミネラルを指しています。ミネラルは犬の歯や骨の形成に大切な栄養素で、代謝を調整したりと体の調子を整えてくれる大事な成分ですね。この粗灰分は5〜10%が理想的です。
ドッグフードに不必要な成分
さて、ではドッグフードに入っていなくても良い成分とは一体何なのでしょうか?それには、着色料と穀物が当てはまります。
着色料とは、見た目を良くする為だけに付け加えられる添加物のこと。食べ物の美味しさをまずは匂いから感じ取るワンちゃん達にとっては全く必要の無いものですよね。それに着色料は、不必要なだけでなく体に害を及ぼす危険もあるんです。
特に気をつけたいのが石油を原料としている合成着色料が使用されているドッグフード。それらの合成着色料は発がん性のあるものもある為、ワンちゃんに摂取させないようにしましょう。
穀物は小麦やトウモロコシ、お米のことで、これら植物性タンパク質は犬にとっては消化がしにくい食物なのです。消化がうまくできないと体に様々な不調を引き起こしてしまいます。
さらに、本来肉食動物である犬は肉からのタンパク質摂取が必要なのに対し、穀物がドッグフードに入っていることにより肉類の使用が減らされていることも。良質なタンパク質が摂れず、さらには胃腸にも負担をかけてしまう可能性があるので、穀物の入っていないグレインフリーのドッグフードを選ぶことをオススメします。
その他の成分
人間にとって毎日の食事には欠かせない大事なエネルギー源である炭水化物。犬にも炭水化物は必要なんじゃないかと思われがちですが、実はワンちゃんにとって炭水化物はそこまで必要の無い栄養素なんです。
それでもドッグフードに炭水化物が含まれている理由、それは炭水化物を含むことでそれをエネルギー源とし、タンパク質を体内の他のところで有効活用するためなのです。特にワンちゃんの体に害を及ぼすことも無い為、その量は特に気にする必要はありません。
炭水化物はドッグフードの成分表への表記が義務づけられていないので、炭水化物が含まれていても表記されていない商品もあります。
また、ドッグフードに含まれている水分ですが、多くても10%以下のものを選ぶようにしましょう。ドッグフード内の水分自体には問題は無いのですが、水分量が多いとやはり腐りやすくなる為、その分防腐剤などの添加物が多く使用されている可能性があります。
酸化防止剤について
ドッグフードの品質を保つために使用されている酸化防止剤ですが、これはドッグフードに含まれる油脂類が酸化するのを防ぐために添加されています。添加物と聞くと避けたいイメージですが、ドッグフードが酸化してしまうと犬の体に悪い影響を及ぼしてしまうため、必要なものなのです。
ただ、その酸化防止剤にも様々な種類があり、ワンちゃんにとって安全なモノもあれば危険なモノまで存在します。その為きちんと見分けてドッグフードを選ぶことが大切になってきますね。
まず、よくドッグフードに使用されていて摂取しても安全な酸化防止剤は下記のものです。
・クエン酸
・ハーブエキス
・ミックストコフェロール
クエン酸はレモンなどの商品に含まれており、私達人間の体内にも存在します。ハーブエキスも天然の酸化防止剤として、安全な成分です。トコフェロールはビタミンEのこと。ビタミンEは科学的な構造により様々な種類が存在し、それら複数の種類を混ぜたものがミックストコフェロールとなります。
反対に、ワンちゃんが摂取したら健康に支障をきたしてしまう酸化防止剤とは何でしょうか?それは、発がん性があると言われているブチルヒドロキシアニソール、そしてブチルヒドロキシトルエンです。
略してBHA、BHTと呼ばれ、多量摂取すると膀胱癌や甲状腺癌などを引き起こしてしまう疑いがあると認められている科学物質です。愛犬の為にもBHA、BHTが含まれているドッグフードは選ぶのを避けましょう。
まとめ
パッと見ではわかりにくい、ドッグフードの成分表。本当にこれらの成分は必要なのか、といった情報は飼い主さんにとって大切ですよね。愛犬のためにも不必要なモノが含まれたドッグフードは避けるようにし、ワンちゃんの健康的な体作りを手伝ってくれるドッグフードを選ぶようにしましょう。