ドッグフードのパッケージを見ると、時々目に入ってくる「肉副産物」という文字。肉の副産物という意味でしょうが、一体それらはどういったものなのでしょうか?
実は、「肉」と書いてあるのに実際は「肉」では無いんです。ここではその肉副産物について詳しく紹介していきます。
肉副産物の定義とは
AAFCO (全米飼料検査官協会)は主にペットフードの栄養基準やラベルの表示などについてのガイドラインを設定している組織で、その設定された基準は世界中で採用されています。
日本のペットフード公正取引協議会の規約でも、ペットフードの栄養基準や餌の与え方の基準に関してAAFCOの設定された基準を採用しているのです。そのAAFCOによると、ドッグフードに使用される肉副産物の定義を以下のものとしています。
『肉副産物とは:屠殺された哺乳類の動物より取れる、汚染されておず精製もされていない肉以外の部位。それには、肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、脂肪組織、内容物が取り除かれた胃や腸などが含まれる。』
要するに、人間の食用として肉の部位を取り出された動物の体に残った組織、ということになりますね。肉副産物には毛や角、歯やひづめは含まれません。
食用の肉を加工するに当たって、これらの副産物は必ず出てきます。人間の食用にできるような肉や内臓はペットフードには回らず、廃棄物とも言える残り物がペットフードの材料として回されるのが現状です。
肉副産物にはこんなものも含まれる!
定義の中に、「内容物が取り除かれた胃や腸」と書いてありますが、一本一本丁寧に中身を取り出していない場合があります。
もちろんそこを徹底しているドッグフードの製作会社もあるかもしれませんが、「適切な処理の過程で入る場合は少量ならば良い」とAAFCOの定義内にも書いてあり、動物の糞や胃の内容物が含まれているドッグフードが存在する可能性はあります。
また、胃腸内に残った異物を洗浄する手間を省くため、それらを殺菌するために大量の薬を使用しているケースも。そういった処理の過程の詳細はドッグフードを買う側である私達にはわからないので、コワいですよね。
ドッグフードの食品衛生基準は人間の食べ物の基準よりも遥かに低く、別の言葉で言えば「人間用としては売れないからドッグフードなどのペットフードに回す」というようなもの。ドッグフードを作る業者がそれらを受け入れる大きな理由は、言うまでも無くコストが低いからです。
そして知っておきたいのが、寄生虫(肝臓ジストマ)に冒されている腎臓や炎症が広がっている肺をペットフードに回す業者も居るということ。そんなものが入ったドッグフードを愛犬には絶対与えたくないですね。
肉副産物を食べるとどうなる
昔は野生動物として狩りをし生活をしてきた犬は、捕まえた獲物を食べる際に肉の部分と共に血液や内臓なども食してきました。その為、肉副産物がドッグフードに含まれることに対してそこまで驚かない方も居られるかもしれません。しかし、この肉副産物が主に含まれるドッグフードの場合、その量が問題になってきます。
犬に必要な栄養素はあくまで動物性たんぱく質である「肉」です。それが、毎日食べるドッグフードの中身が主に内臓や血液、骨だった場合、ワンちゃんにとってそれは良質なタンパク質だとは言えません。タンパク質だけでなくミネラルなども豊富では無い、栄養価が少ない食事となります。
また、上でも書いたように様々なモノが含まれる肉副産物を食べ続けると、アレルギーやガン、更には奇形を誘発してしまう恐れがあることが報告されています。
まとめ
「肉副産物」という言葉を聞くと、肉っぽいイメージを浮かべる人が多いと思います。しかしその内容を見てみると、肉はほとんど入っていません。それらを愛犬に食べさせたいとは思わないですよね。
肉副産物はいわゆる動物の体の「残りかす」。それらが使用されたドッグフードは安価で手に入りますが、質の良い食事を愛犬に与えたいならば肉副産物が含まれたドッグフードは避けるようにしましょう。
その為にもドッグフードを買う際にパッケージの原材料欄をチェックするのを忘れずに行いましょう。