ドッグフードの原材料で見かける、脱脂大豆・ビートパルプ。あまり聞き慣れない名前ですが、それらは一体どんなものなのでしょう?
そして、それらはワンちゃん達の毎日の食事に必要なものなのでしょうか?
脱脂大豆とは
大豆ミールとも呼ばれる脱脂大豆。その名前の通り、栄養分である「脂」を抜いた後のモノという意味です。
私達日本人は毎日の生活の中でよく大豆を食べる習慣がありますよね。それらの大豆製品を加工する際に残る「搾りカス」が脱脂大豆です。
本来なら捨てられるハズの脱脂大豆には栄養素がほとんど残っていません。つまり、犬にとっては全く必要の無い材料ということになります。
また、犬は大豆のカスを消化するのがとても困難です。それらカスが大量に使用されているドッグフードを食べた場合、ワンちゃんの体内でなかなか排泄されずに留まってしまう可能性も。そういった状態が続くと、腸捻転をも引き起こす場合があります。
ビートパルプとは
ビートパルプは、甜菜(サトウダイコン)から砂糖を抽出した後に残る搾りカスのことです。
馬や牛などの草食動物の餌としてよく使われるビートパルプですが、本来肉食動物である犬にとっては、繊維の塊であるビートパルプは必要の無い栄養素。消化もしにくく、大量に摂取した場合は便秘になってしまいます。
脱脂大豆・ビートパルプが使用される理由
これら「食品の搾りカス」がドッグフードに使用されている理由は、やはりそのコストの低さにあります。本来は廃棄物となっても良い部分なのでかなりの低価格で取り引きされ、そしてドッグフードのかさ増しとして使用されています。
脱脂大豆・ビートパルプ入りドッグフードの注意点
脱脂大豆とビートパルプについて、ワンちゃんにとって消化しにくく更に健康を害する恐れがあるという他に、もう一つ知っておきたい注意点があります。それは、それら絞りカスが絞り出される際に使用される薬品について。
大豆や砂糖の良い部分を絞り出す、という行為をイメージすると、強い圧力をかけての抽出を想像する人が多いのではないでしょうか?
確かに圧力をかけての抽出作業を行っているものもありますが、ドッグフードに使用されている脱脂大豆やビートパルプの場合、安くて効率の良い「薬品を使用しての抽出作業」にて絞り出されているのがほとんどです。
薬品によって搾り取られたカスには、もちろん薬品が残留している恐れが。その薬品によって、ワンちゃんの健康に被害が及ぶ可能性があるのです。
例えば、ビートパルプの場合。硫酸系の薬品を使って絞り出されたカス=ビートパルプが犬の体内に入ると、その残留している薬品により、便の排出を促す神経伝達に支障をきたしてしまいます。
その結果、腸内に便が長く留まってしまい、便秘になったりコロコロした固いウンチが出るように。便意を抑えてしまったり、腸本来の機能を妨げてしまう恐れがあるのです。
繊維を売りにしているドッグフードも
脱脂大豆やビートパルプを多く使用し、それら繊維を売りにして「食物繊維が豊富」と堂々と書かれているドッグフードも店頭で見かけることがあります。
確かに繊維は腸を綺麗にしてくれる働きがありますが、犬にとっては消化しづらいため、逆に便秘を引き起こしてしまう可能性も。
特に消化器官が衰えてしまっているシニア犬に食物繊維たっぷりのドッグフードを与えてしまうと、体内で様々な支障が起きてしまう恐れがあります。堂々と書かれているからといって、それらの売り言葉を鵜呑みにしないようにしましょう。
まとめ
脱脂大豆やビートパルプはもともとはカスの為、ドッグフードには入っていて欲しくない材料となります。
できればこれらが使用されていないドッグフードを選ぶようにし、その為にも購入時にはパッケージの原材料の所をチェックする習慣をつけましょう。