私達人間も含む動物の食生活には欠かせない存在のタンパク質。そのタンパク質には動物性のものと植物性のものがありますが、その違いは何なのでしょう?
また、犬にとって健康な毎日を送るため必要なタンパク質とは一体どちらなのでしょうか?
タンパク質とは
タンパク質とは、人間や動物達の体を作っている大切な栄養素の一つです。
筋肉や臓器、皮膚、毛、血液など、体のほとんどはタンパク質で構成されており、体を構成する成分のうち水に次いで多いのがこのタンパク質となります。
また、タンパク質は体を作る役割だけでなく神経伝達物質の合成を促す働きもあり、脳の働きを活発にしたり精神を安定させたりという役割も持っています。
そのため、タンパク質が不足すると体だけでなく精神的にも不安定になるという症状を引き起こしてしまいます。
タンパク質には動物性のものと植物性のものが存在し、それぞれは主に下記の食品に含まれています。
- 動物性のタンパク質… 肉や魚、卵、チーズ、牛乳などに含まれる
- 植物性のタンパク質… 大豆、米、トウモロコシ、小麦、豆腐などに含まれる
動物性と植物性から更に細かい種類に分けることができますが、これら2つの一番大きな違いは、含まれる必須アミノ酸の量や種類となります。
犬とタンパク質
犬にとってタンパク質はとても重要な栄養素で、人間の4倍以上もの量を必要とすると言われています。
血や骨、皮膚、毛、筋肉、臓器を作るタンパク質は犬の体内では合成されないため食べ物から摂取する必要があるのですが、犬の体に必要な必須アミノ酸をバランス良く含むのは植物性ではなく動物性タンパク質なんです。そのため、犬の食事には動物性タンパク質を多く含むドッグフードが理想的となってきます。
そして、犬にとって動物性タンパク質が大切な理由がもう一つあります。それは、犬は植物性タンパク質の消化が苦手だということ。
本来は野生で生活をしてきた犬は、狩りをして動物の肉を食べてきた肉食動物。そのため、肉などの動物性タンパク質の消化を得意としているんです。
トウモロコシや大豆などの植物性タンパク質は犬の消化器官に負担をもたらすだけで無く、消化されきれずに体内に蓄積されていってしまい体調不良を起こすことも…。更には、アレルギーを引き起こす原因にも繋がってしまいます。
ドッグフードに含まれるタンパク質
愛犬の健康な体作りに欠かせないのが動物性タンパク質をメインにした食事というのはわかりましたが、では全てのドッグフードは動物性タンパク質を中心に作られているのでしょうか?答えは残念ながら、違うんです。
ドッグフードの中には、動物性タンパク質である肉や魚よりも、植物性タンパク質であるトウモロコシや大豆を主に使用して作っているのもが多くあります。
では何故犬にとって消化しづらい植物性タンパク質の量を多くしているのでしょう?その理由は、ドッグフード用植物性タンパク質として使用される様々な原料のコストの低さにあります。つまり、かさ増しのために使用されているんですね。
植物性タンパク質は少量なら便秘を改善してくれる等、犬にとってもプラスの働きをしてくれますが、その量が多すぎると犬にとっては逆に問題になってきてしまいます。
そして本当に必要な動物性タンパク質が足りていない食生活を続けていると、ワンちゃんは栄養不足になり体に様々な症状が出てきてしまいます。
タンパク質不足になるとどうなる?
犬が良質な動物性タンパク質を充分に摂っていない状態が続くと、タンパク質不足になってしまい体に様々な影響を与えてしまいます。
まず一番最初に機能が低下してしまうのが免疫系だといわれています。皮膚の感染症にかかりやすくなり、慢性の下痢が続いたり、寄生虫にも感染しやすくなってしまいます。
また、毛の質も悪くなり艶の無いパサパサした毛になって脱毛も出てくる場合があります。さらには皮膚が荒れたり体臭がキツくなったりという症状も…。
これらの症状が出ている場合は、与えているドッグフードに良質な動物性タンパク質が充分含まれていない可能性があります。一度、与えているドッグフードの成分をしっかりと見直しをしてみましょう。
まとめ
同じタンパク質でも動物性と植物性では犬に与える影響が違ってくるんですね。これを知っておくと、愛犬に毎日あげるドッグフードを正しく選ぶことができるのではないでしょうか?
良質な動物性タンパク質が多く含まれたドッグフードを選び、愛犬の健康をサポートしていってあげましょう。