私達人間の食品と同じく、ドッグフードを含むペットフードにも義務付けられている表示事項があります。
その義務のおかげでパッケージを見ると様々な情報を得ることができますが、ドッグフードに義務付けられている表示とは一体どういったものなのでしょうか?
ドッグフードに義務付けられている表示内容
これはドッグフードに限らずですが、もしその食品を食べて何らかの問題が起こった際にその製品を速やかに特定するため、ペットフード安全法では以下の項目の表示が義務付けられています。
- ドッグフードの名称
- 賞味期限
- 原材料名
- 原産国名
- 事業者名及び住所
これら5項目は消費者にわかりやすいよう一括に表示するのが勧められていますが、ドッグフードのパッケージによっては充分なスペースが無いものもある為、その場合はバラバラに表示しても良いとされています。
公正取引委員会及び消費者庁の認可を受けた「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、この5項目の他に、ドッグフードの目的、内容量、給与方法、成分の表示もすることになっています。
しかしこれはペットフード公正取引協議会の会員で無い場合は表示が任意となっているため、上の5項目のみ表記しているドッグフードもあります。
原材料の表記について
原材料名のところは、ドッグフードに使用した添加物を含め全ての原材料を記載する義務があります。そのため、その欄を見ることでそのドッグフードには何が含まれているのかを知ることができます。
しかし、原材料自体を加工する際に使用された添加物は表示の義務がありません。例えば、チキンミールを原材料に含むドッグフードの場合、原材料欄には「チキンミール」と書きますが、そのチキンミールの製造工程中に使用される添加物の表記はしなくてもよいのです。
また、公正取引委員会及び消費者庁の認定を受けた「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、原材料の表記の順番は使用量の多いものから先に順に記載することが定められています。
しかし、意外なことにこれは法律では無いのです。ペットフード安全法では原材料名の記載順序は特に規定しておらず、そのため、原材料がバラバラの順番で表記されているドッグフードも存在しているということですね。飼い主としては注意が必要な部分です。
表示のごまかしにご用心
ドッグフードの表示のされ方ですが、このようなケースがあるようです。例えば、以下の原材料を使用して作られたドッグフードの場合。
- とうもろこし
- 小麦
- チキンミール
- ミートミール
- 大豆
- チキン
- 動物性油脂
etc以下省略
上記では、多く含む原材料の順番に書かれています。しかし、この「チキンミール」「ミートミール」「チキン」を全部「肉類」としてまとめた場合、同じドッグフードでも表示が下記のように変わるんです。
- とうもろこし
- 肉類(チキンミール、ミートミール、チキン)
- 小麦
- 大豆
- 動物性油脂
etc以下省略
このように「肉類」とまとめることで記載の順番を上位にあげることができるのです。これは「分類名表示」という方法で、ペット安全法ではこういった表記をしても良いことになっています。
さらに、一番多く含まれる「とうもろこし」を逆に「分割表示」という方法で表記すると、下記のようになります。
- 肉類(チキンミール、ミートミール、チキン)
- コーンスターチ
- 小麦
- 大豆
- コーングルテンミール
- コーングルテンフィード
- 動物性油脂
etc以下省略
「とうもろこし」を分割して表記することにより、なんと「肉類」が一番上になりました。これを消費者が見ると、このドッグフードには肉類が一番多いのだと思うでしょう。肉がたくさん入っているドッグフードを求める消費者に対してとても良いアピールになりますね。
このように、パッと見では気づかない表示方法で原材料のごまかしを行っている会社もいるようです。気をつけたいですね。
まとめ
ペットフード安全法により、ドッグフードに関しての情報はパッケージで見ることができます。しかし、それらを鵜呑みにするのもあまり賢いとは言えなそうですね。
あまりにも紛らわしい表示方法をしている会社のドッグフードは避けた方がいいでしょう。