缶詰やジャーキーなど、ドッグフードには様々な種類のものが存在します。初めてドッグフードが誕生した頃はクッキータイプのものでしたが、今ではその種類はまさに多種多様。
分類方法も様々で、一体どのドッグフードを買えば良いのか迷ってしまう人も居るのではないでしょうか?ここではドッグフードを基本的な分類別に紹介していきます。
目的別の分類
ドッグフードはまず目的別に分類できます。ペットフード公正取引協議会によると、ドッグフードは目的別に以下の3種類に分けられます。
総合栄養食
犬が必要とする栄養素やカロリーを充分に含み、毎日の主食として与えられるドッグフードのことを総合栄養食といいます。このフードと水だけで健康を維持できるように栄養バランスを考えて作られた製品です。
総合栄養食と表示するには、ペットフード公正取引協議会の定めた基準を満たしていないといけません。
間食
間食とは、おやつやスナック、またはご褒美として犬に与えることを想定して作られたものです。あくまで「おやつ」なので、与え過ぎて1日の適切な栄養量やカロリー量をオーバーしないように注意することが必要です。
原則として、1日に与える食事量の20%以内に抑えるよう求められており、その量を超えると栄養が偏ってしまったり肥満になったりする可能性があります。
練り加工品、素材ベース品、ガムや菓子類などがあり、例としてはジャーキーやクッキー、ビスケットやガムなどが挙げられます。
その他の目的食
栄養素の補充、食欲増進など、下記のように特定の目的のために作られたドッグフードのことを指します。
- 総合栄養食に混ぜたりふりかけたりと、嗜好増進等を目的として総合栄養食と共に与える「副食・おかずタイプ」のモノ
- 動物用サプリメントなど、特定の栄養の調整やカロリー補給などを目的とした「栄養補助食」
- 特定の疾患や疾病の治療を補助する目的で使用される「療法食」
<形状による分類>
環境省の「飼い主のためのペットフードガイドライン」によると、形状によるドッグフードの分類は以下のようになります。
ドライ
水分含有量が10%程度、またはそれ以下のフード。
カビの発生などを抑えるには水分含有量が12%以下である必要があり、その為多くのドライタイプは水分含有量が10%以下になるよう水分量を低くしてあります。
一番多く流通しているドライタイプのドッグフードは値段も安く栄養バランスも優れているので、ワンちゃんの主食に適している食事と言えます。
セミモイスト・ソフトドライ
水分含有量が10〜35%程度のフード。
ドライタイプのように粒状になっているモノが多いですが、食感は柔らかくしっとりしています。その食感と水分量を保持するため湿潤調整剤が使用されており、また、水分による腐敗を防止するため防腐剤なども添加されています。
水分を多く含む食べ物は犬の嗅覚を刺激するため、ドライタイプよりもセミモイスト・ソフトドライタイプを好むワンちゃんが多いようです。
ウェット
水分含有量が75%程度のフード。
品質保持のため加熱殺菌の処理を得て充填されており、缶詰やレトルトパウチに入った状態で店頭に並んでいます。開封しなければ長期保存が可能ですが、一旦開封すると品質変化が早いため注意が必要です。
水分量が多いため食べやすく、このウェトタイプを好んで食べるワンちゃんが多いですが、このタイプのフードには欠点が。
まず、7割以上を水分が占めているため必要な栄養素に欠けており、毎日の主食用には向きません。また、柔らかいウェットタイプのものばかりを食べ続けるとワンちゃんの顎の力が弱くなったり歯石の原因にもなったりします。
<ライフステージによる分類>
犬は成長段階によって必要とする栄養素やカロリーが異なるため、ライフステージ別に分けられたドッグフードが販売されています。
これは「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則」でも求められていることで、パッケージに「総合栄養食」と表示する場合はどのライフステージを適用とするのかを併記することが必要となっています。
その「施行規則」によると、成長段階は下記のように分けられています。
- 妊娠期/授乳期
- 幼犬期/成長期(またはグロース)
- 成犬期/維持期(またはメンテナンス)
- 上の①〜③まで全てを満たす場合のオールステージ
これらは栄養要求量の高い順に分類されています。6〜8歳以降の老犬用ドッグフードは③の維持期フードの分類に入ります。
まとめ
上で紹介した他にも、「小型犬用」「大型犬用」、さらには「チワワ用」「柴犬用」などと特定の犬種にまで分けられたドッグフードも存在します。
あまりにも細かく分類されてしまうと、飼い主さんにとっては一体どれが良いのか迷ってしまうと思いますが、基本は栄養バランスが整った「総合栄養食」を主食とすることが大事。
あまりにも多種にわたるドッグフードの売り文句に惑わされないよう、愛犬に合ったライフステージのモノで良質な素材を使ったドッグフードを選ぶようにしましょう。