生活が便利で豊かになる一方で、問題となっているのが生活習慣の乱れ等が原因で起こる肥満です。これは私達人間だけの問題ではなく、あなたが飼っている愛犬にも起こりうること。
ここでは犬の肥満について、その原因や対策を詳しく説明していきます。
犬の肥満とは
では、一体どういった基準で「肥満」と判断されるのでしょうか?
犬は犬種により体系も体重も違ってくるので、一見パッと見ただけでは痩せている・太っていると判断することはできません。
犬が痩せているのか太っているのか、その判断は「ボディコンディションスコア(BCS)」と呼ばれる犬の肥満度を測るガイドラインを元に決められます。
その「ボディコンディションスコア(BCS)」では犬のコンディションを体の見た目、そして触った感触によって5段階(BCS1〜BCS5)に分けて判断します。
BCS1…痩せ
体脂肪率5%以下
肋骨や腰骨、骨盤が外から容易に見える。腰のくびれと腹部の吊り上がりが顕著。触っても脂肪が分からない。
BCS2…やや痩せ
体脂肪率5〜15%
肋骨や腰骨を容易に触ることができる。上から見て腰のくびれは顕著で、腹部の吊り上がりも明瞭。
BCS3…理想的
体脂肪率15〜25%
わずかな皮下脂肪を通して肋骨や骨格の隆起に触れることができる。上から見て助骨の後ろに腰のくびれが見られる。
BCS4…やや肥満
体脂肪率25〜35%
皮下脂肪に覆われているが、助骨は何とか触ることができる。腰のくびれは不明瞭。
BCS5…肥満
体脂肪率35%以上
厚い脂肪に覆われており、助骨が容易に触れない。腰のくびれは見られない。
チェックポイントとなるのは肋骨と背骨、腰骨で、「肥満」とされるのはBCS5の状態です。
犬の肥満の原因とは
犬が肥満体型になってしまう原因には下記が挙げられます。
食事量が多い
毎回の食事量が多かったり、おやつを与え過ぎていると、犬は余分なカロリーを摂取して太ってしまいます。
運動量が少ない
食事量が適量であっても、その分カロリーの消費量が少ないと太ってしまいます。
運動不足だと食べた分のカロリーを消費することができないので、消費されない栄養分が体にどんどん蓄積されていってしまい、結果として肥満体型になってしまいます。
避妊、去勢手術による影響
避妊、去勢手術を受けた犬はホルモンバランスが崩れ、食欲が増えたり基礎代謝が低下するといった変化が見られます。つまり、太りやすい体質になってしまう可能性があるんですね。
遺伝
遺伝的に太りやすい傾向にある犬種があります。例としてはラブラドールレトリバー、ビーグル、ダックスフンド、柴犬などが挙げられます。
病気、怪我
クッシング症候群や甲状腺機能低下症、インスリノーマといった病気が原因で肥満になることも。
また、怪我をしている犬はどうしても運動量が減ってしまい、太りやすくなる傾向にあります。
肥満がもたらす影響
肥満状態の犬はその体重を支えきれず、足の関節や股関節等に負担がかかってしまい関節炎やヘルニアになってしまう危険性があります。
また、体重や脂肪が増えることにより心臓や呼吸器にも負担が。健康な状態の何倍もの力を使って機能し続けなくてはいけなくなる心臓への負担は理解できますね。
呼吸器の場合は、気管などの気道が脂肪で圧迫され呼吸がしにくくなる為に負担がかかるようです。
更には、肥満が原因で糖尿病になったりその他の病気を併発させてしまう恐れもあります。このように、肥満であるということは体に様々な悪影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。
そしてよく言われるのが、肥満体型だと麻酔が効きにくいということ。いざ手術をしなければならなくなった場合、肥満だと麻酔の効果が薄れてしまうようです。簡単な手術でも難しいものになってしまう可能性があり、危険です。
肥満の予防・対策方法
ではワンちゃんが肥満になってしまった場合、どう対処したらいいのでしょうか?
- 食事の管理
- 運動の管理
愛犬が太ってしまったら、食事と運動量を飼い主さんがしっかり管理してあげることで肥満を解消することが可能です。
食事はその量と回数をしっかり決め、毎日その摂取量を超えないように気をつけましょう。また、質が良く栄養バランスの整ったドッグフードを選んであげることも重要です。
運動は毎日必ずさせてあげ、もともと活発な犬は散歩の回数を増やす等して一日の運動量を増やしてあげましょう。
これらは肥満の予防方法としても大切なことです。食事と運動を管理してあげることは、ワンちゃんの体調の管理にも繋がります。
まとめ
肥満だと体に様々な悪影響を及ぼしてしまいます。
遺伝や病気などでどうしても太りやすいワンちゃんの場合も、飼い主さんがしっかりと個体の状態を把握して毎日の生活の中で管理してあげることが大切です。
愛犬が健やかな毎日を送れるよう、サポートしてあげてください。